貴重な先発の左腕ということで、ブルージェイズが売り手となれば人気が集まるのは間違いなさそうだが、その移籍先の候補の1つとして現地メディアでも取り上げているのが、ドジャースだ。

 今シーズン、ドジャースは巨大戦力の名に恥じぬ安定感を見せ、33勝22敗でナ・リーグ西地区で首位。同地区ライバルの勝ち星がいまいち伸びてこないということもあり、現状では地区制覇は“固い”という予想がほとんどだろう。

 だが、先発投手はこれから中盤から後半戦へ向けての“心配要素”でもある。今季から加入したタイラー・グラスノー、山本由伸、ジェームズ・パクストンの3人は地区首位の原動力になっているが、グラスノー、パクストンはかなりケガの多い選手と知られ、ルーキーの山本も1年目だけに読めない部分も多い。

 他にもトミー・ジョン手術から復帰したウォーカー・ビューラーも実績ある投手だが、病み上がりということもあり、絶対的な先発投手が不在という状態。世界一へ向け1人でも多くの駒をそろえておきたいと考えていてるのは間違いないだろう。

 米スポーツ専門メディア『ブリーチャー・リポート』も離脱中である通算210勝の左腕クレイトン・カーショーと、若き右腕ボビー・ミラーの2人の動向次第としながらも、先発投手は補強の対象になると分析。その記事の中では3人の獲得候補を挙げているが、“合理的なターゲット”として菊池をリストアップしている。

 今季の年俸は1000万ドル(約15億7000万円)とメジャーの水準では高くなく、今年で33歳となる左腕に対しては、ブルージェイズもそこまでの見返りを求めてこない可能性も高い。強さを保っていながら有望株も多いドジャースは、トレードの相手として条件がそろっていると言っていいだろう。

 また、今季は大谷、山本が移籍したことでドジャースと日本企業とのスポンサー契約が続出しているという事実もある。当然、球団も大谷と菊池が同じ花巻東高校出身であることも知っているはずで、2人が世界一へ向け“共闘”することになれば日本からの注目がより増すことは考慮するはずだ。

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