急に暑くなってまいりました。衣替えと同時に部屋の片づけもやってしまいたいところです。 AERAオンライン限定連載から2021年5月17日に配信した記事を再掲します(年齢、肩書は当時)。
5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。
* * *
case1. 決断を後回しして後悔したことからスタートした女性の場合
40代/東京都在住/夫+子ども3人/銀行勤務
45日間で家の片づけをやりきっていただく家庭力アッププロジェクトでは、事前説明会を開き、プロジェクトの目的やプログラムなどをお伝えしています。そこでは必ず「未来の自分への無駄な期待は捨てましょう」というお話をしています。「片づけって『いつかやろう』『私ならいつかできる』って後回しにしてしまうのだけど、その“いつか”は来ないんです!」と言うと皆さん苦笑い。そしてストンと腑に落ちたような表情をされます。
一昨年の説明会に3人のお子さんのママだという女性が参加されました。この女性は説明会に参加してやる気になったので、自分自身の力で片づけようと思い立ち、家庭力アッププロジェクトへの参加を見合わせました。でも、やる気が続いたのは3日間。改めて説明会に参加するためプロジェクトに問い合わせてくれたのですが、結局予定が合わず、やはり断念しました。
1カ月半後。この女性はFacebookでつながっていた私の投稿をタイムラインで発見。写真には、説明会で一緒だった人たちが家の中を片づけ、晴れやかな表情で笑っていました。
自分の部屋に目をやると、前よりひどい状態……。彼女は片づけを先延ばしにした自分を激しく後悔したそうです。
自分でやってみて片づけの大変さに気づいたこの女性。ある程度の知識はあり、頭でわかっているのに「行動の壁」が超えられない。片づかないまま新年を迎え「もう、この状態で2020年を過ごしたくない」と年明け早々のプロジェクトへの参加を、なんとスタートの2日前に決めました。