(左から)清水尚弥、坂東龍汰、高橋里恩(撮影/写真映像部・東川哲也)

坂東:そんなのないよ。

高橋:さすがだわ。学校がシュタイナー教育だったっけ。

坂東:そうそう。テレビもゲームも一切禁止だったから。だから俺は鈍感に育ったと思う。

高橋:その経験、財産だと思う。

清水:SNSもケータイも19歳くらいで出合う方が正しい判断能力がありそう。ある程度成長した段階でできるからさ。

告白は手紙を渡されて

高橋:じゃあさ、中学とかで好きな子からメールきてるかどうか、メール問い合わせを連打したこととかないの?

坂東:なにそれ。告白は手紙だから。電車の中で肩たたかれて、無言で手紙渡されてさ。

高橋:すごいな。俺もテレビは21歳から家にないけどね。

坂東:俺は見え張って80インチのテレビ買ったわ。

高橋:稼いでんなあ(笑)。

坂東:安いやつだよ(笑)。

高橋:でも、あるものはどんどん利用しないといけないとも思うんだよ。今回の映画でも、公開と同時にU-NEXTで国内配信されるじゃん? 新しい試みは開拓していかないと。

清水:もしかしたらこれをきっかけに、劇場公開と同時配信が普通になるかもしれないしね。

高橋:これは「革命」ですよ。

坂東:お! 確かに!

清水:里恩くんの「うまいこと言った」みたいな顔(笑)。SNSはどう使うか迷うんだけど、作品を見てもらうきっかけにはなるね。僕らは作っても、見てもらわないと意味がないから。

坂東:この映画がみんなにどう届くか、シンプルに気になる。

高橋:俺なんかは、「若武者」みたいな映画は明確な答えがないから、「ありがとう」って思えるんだよね。

清水:みんなに何かしら感じてもらえる情報が詰まっているような気がする。こうやって僕らもいろんなことが出てくるし。

坂東:「考えるな、感じろ」、いや、「感じるな、考えろ」かな。分かりやすさを追求する世の中だけど、こういう分かりやすくない映画もたまにはインプットして、新しい概念とか価値観を持ってもらえたら嬉しいよね。

清水尚弥(しみず・なおや)/1995年生まれ。出演作に「死んだ目をした少年」「ちはやふる―上の句―」など。主演の短編映画「竹とタケノコ」の公開を控える

坂東龍汰(ばんどう・りょうた)/1997年生まれ。2023年、「フタリノセカイ」で、日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞。ドラマ「RoOT/ルート」(TX)、「366日」(CX)が放送中

高橋里恩(たかはし・りおん)/1997年生まれ。出演作に、「ファミリア familia」「東京リベンジャーズ」、ドラマ「家政夫のミタゾノ」(EX)など多数。「陰陽師0」が公開中

(構成/編集部・大川恵実)

AERA 2024年5月27日号より抜粋

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