映画「若武者」(二ノ宮隆太郎監督・脚本)で未来に抵抗する若者を演じた、渉役の坂東龍汰さん(26)、英治役の高橋里恩さん(26)、光則役の清水尚弥さん(29)の3人。デジタルネイティブ世代でもある彼らは、変化し続ける時代をどう見ているのか。AERA 2024年5月27日号より。
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──映画は現代を描いているが、ケータイなどのモバイル機器はほとんど登場せず、「革命」「世直し」という言葉が頻繁に飛び交い、どこか昭和の匂いが漂う。
清水尚弥:渉も英治も光則も、時代には乗れてない3人。全然楽しく生きてないと思う。流行にも乗れてないし。
坂東龍汰:それができてたら、革命を起こそうとか考えないし、できないから3人とももがいているというか。
高橋里恩:でも、俺自身もそうだよ。今ってSNSとかAIとか、人間が作ったものに翻弄されてない? それが昔から本当に嫌で。
清水:僕たちはネットの普及と同時に生まれている世代じゃない? スマホの進化とともに成長しているようなもので、過渡期だったよね。
坂東:変化に敏感な人は生きづらいかもね。
清水:うん。常に変化していくことに適応力が試されている気がするし、大変だよ。
高橋:SNSがストレスのはけ口になっちゃって、みんな争っているように見えるしさ。
坂東:それで生きづらさが出てきたり、自己承認欲求が出てきたり。フォロワーとかにも、一喜一憂しちゃってね。そのことに意味がないとは言わないけど、正直もったいないと思うし、もっと大事なものがいっぱい転がってるだろうとは思う。
高橋:俺なんて敏感だったから、学生時代、引きこもってたよ。なんか疲れちゃって。調べれば何でも出てくるし、情報が勝手に入り込んでくる感じで。
坂東:みんなスマホって何歳で持ってたの?
高橋:ケータイは小5か小6。
坂東:俺は19歳。
清水:え! じゃあ、最初からスマホ? パカパカしたケータイは持ったことないの?