祝日に授業があるのはゴールデンウィークだけではない。祝日の一部を休みとしない大学がある。おもな大学の学事暦から、祝日授業日を見てみよう(7月以降)。
◆早稲田大
7月15日(月曜、海の日)、10月14日(月曜、スポーツの日)、11月23日(土曜、勤労感謝の日)
◆明治大
7月15日、9月23日(月曜、秋分の日の振り替え休日)、10月14日、11月23日
◆同志社大
7月15日、10月14日
◆関西学院大
7月15日、10月14日、11月4日(月曜、文化の日の振り替え休日)
祝日は「祝日法」で制定された国民の休日である。大学生は国民ではないのか、と突っ込みたくなる。これでいいのだろうか。
祝日に授業を行う大学は世界でも珍しい
立命館大教授の仲井邦佳さん(専門は言語学、スペイン語統語論など)は大学の学事暦、単位、授業時間数のあり方に詳しい。祝日に授業を行うことの問題点について解説してもらった。
「祝日を尊重するという常識に反した運営が多くの大学でなされているということは、憂うべきことです。大学設置基準を守るために大学は祝日に授業を行うといいます。だが、祝日法は法律であり、大学は社会的存在です。祝日法に定められた公的な祝日を無視していいか、疑問です。一般企業で祝日分を振り替えて別途、出勤日を設けるところはなく、祝日で仕事をしないから給料を差し引くということにもならない。それと同じです。世界中を見渡しても、祝日に授業を行う大学はきわめてまれです」
仲井さんは学生生活にとってマイナス面が多いという。
「運動部の対外試合や、音楽など文化部の発表会が祝日に開催されると、参加を諦めるか、授業を欠席せざるを得なくなります。こうした課外活動は教育の一環であり、それをおろそかにするのは本末転倒ではないでしょうか。さらに少数ですが、子どもを持つ学生もいます。幼稚園・保育園や小学校が休みのため子どもの面倒を見なければならず、大学に通えません」
仲井さんが教えている大学は京都にあり、観光地ならではの課題がある。
「京都の場合、多くの学生が観光関連業(飲食店や店舗)でアルバイトをしており、ゴールデンウィークの祝日に容易に休めません。また、いま、京都には外国人観光客があふれオーバーツーリズムとなっており、休日は電車やバスがたいへん混雑し登校が困難になっています」