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 周囲に、あなたの時間・エネルギー・タイミングを奪う人はいないだろうか? 90万部を突破した人気シリーズ『頭に来てもアホとは戦うな! 賢者の反撃編』から、理不尽で不愉快な存在との対処法を一部抜粋で解説する。

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アホを踊らせて正面対決を避けろ

 アホとは戦うなという私だが、自分の目標のためには戦わないといけない時が来たら全力で戦わざるを得ない。

 つい数年前だが、実は私は仕事上、やむをえず戦ったことがある。もちろん戦うことはできるだけ避けてきた。戦うにしても「戦わずして勝つ」のが最上の策で、相手もこちらも疲弊させず傷つけず、自分の目的を達成できればそれにこしたことはないと確信してきた。そのために全力を尽くした。

 戦わずにあらゆる策を使い、相手の目的とこちらの目的を合致させWIN―WINに導こうとした。しかし、相手の目的がこちらの認識とは違ったのか? 相手がこちらと戦う決断をしたのか? 理由は定かではないが、あらゆる手段を尽くしても、戦うしか選択は残されていないという結論に至った。

 ここから私は「戦い」の準備に入った。完璧に勝つためである。

 まずは「怒り」を消すこと。怒りは間違いなく判断を誤らせ自らを弱める。感情的になった人間についていく人は少ない。淡々とことを進めるのみだ。

 「怒り」がコントロールできないうちは行動を起こしてはいけない。

 まずはこちらの戦意や戦力はひた隠しにした。こちらが戦う意思がなく戦闘能力も欠けているという印象を持たせるために奮闘した。

 相手は油断を始めた。手強い相手だが調子に乗ってきたのだ。次に、調子に乗せたうえで相手の戦力を削いでいった。相手陣営への調略を尽くして、相手の信用を落とし相手の戦力や同盟(仲間)を削いでいった。相手も完全に油断をしていたので順調にいった。

 そして同時にこちらの守りも固めた。手強いし、万が一、相手の戦力や同盟が私の想像以上のものだったとしても、せめて負けないように信用を上げ仲間を作り守備力を充実させ陣営を固めた。

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田村耕太郎

田村耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)/国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数

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