内田良・名古屋大大学院教授が2022年5月に発表した、公立小中学校の教員を対象にした調査結果では、過去2年ほどの間に書類上の勤務時間を少なく書き換えるように求められたことがあるかとの問いに、小学校で15.9%、中学校で17.2%が「ある」と回答。全体で16.0%に上った。6人に1人程度の計算だ。

 土日の勤務時間を正確に申告するかどうかは、小学校の43.0%、中学の27.6%が「いいえ」と回答した。一定数の教員が上司らからの指導を避けようと労働時間を実態より少なく報告しているとみられる。

 持ち帰り仕事も含めた残業時間を聞くと、小学校は月平均で98時間、中学は114時間に上った。全体では105.6時間に上り、文科省がガイドライン(指針)で禁じている月100時間を超えた。

 また、「準備不足のまま授業に臨んでしまっている」かどうかの問いには半数以上が「そう思う」と答えた。残業時間が長いほどこの傾向が強く、最長の「週40〜59時間」の層では7割に上った。「いじめを早期発見できるか不安だ」との設問も同様で、残業時間が最長の教員の8割以上が「不安」と回答。教員の長時間労働の影響が子どもの学習や生活に影響しかねない状況だ。

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