太陽表面で起きた爆発現象「フレア」の影響で11日、世界の各地で大規模なオーロラが出現し、北海道などでも「低緯度オーロラ」が観測された。「低緯度オーロラ」とはどんな現象なのか。昨年に北海道で見られた低緯度オーロラの記事を紹介する(この記事は昨年11月12日に「AERA dot.」に掲載した記事の再配信です。年齢や肩書などは当時)。
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夜空を舞う神秘の光、オーロラ。北極圏などで見られる現象だが、11月5日夜から6日早朝にかけて、ふだんは見られない北海道でも観測された。夜空が赤くなる「低緯度オーロラ」という現象だ。オーロラを発生させる太陽の活動は活発で、オーロラが現れるチャンスはしばらく続くと専門家は予測している
北海道・陸別町で6日未明に撮影された写真には、ピンク色に染まる空が雲の合間に写っていた。
「低緯度オーロラ」と呼ばれる現象だ。
撮影に成功したのは、同町の「銀河の森天文台」に勤める中島克仁さん。今年に入って撮影できたのは2月、4月に次いで3回目だという。
「前々回と前回はかすかなオーロラでしたが、今回ははっきりと写りました。2015年以降、8年ぶりです」
オーロラ研究者らのX(旧ツイッター)の投稿を5日の昼過ぎに見て、撮影準備を始めた。レンズを真北の空に向け、長時間露光にセットしたカメラが低緯度オーロラ特有の赤っぽい光をとらえ始めたのは6日午前2時ごろ。
オーロラの出現は1時間ほど続いたという。
日本書紀にも記録が残るオーロラ
オーロラは、太陽の表面で起きた爆発現象(フレア)などによって放出されたプラズマ粒子の「太陽風」が地球まで到達し、地上からの高度約90~600キロで大気とぶつかって発光する現象だ。
大規模なフレアが起こると、大量のプラズマ粒子によって地球の磁気圏が乱されて「磁気嵐」が発生する。すると、北海道のように普段はオーロラが見られない低緯度の地域でもオーロラが観測されることがあるのだ。