調理法を教えてほしいと料亭に飛び込む綾子は、もちろん冷たくあしらわれるが、調理ごとに調味料の壺の減った分量を計測。正しい分量を突き止め、素人でも80%は味を再現できると証明する。
マホは女性が家事をしやすくなるよう、動線を考えたキッチンを設計。反発する香美女子栄養大学(綾子の学校)の教授と従来型、公団型それぞれの流し台で対決することになる。
同じ料理を作る調理時間は双方互角。だが理事長の綾子が調理中の「歩数を記録していた」と言う。従来型は27歩、公団型はなんと2歩!
いや~、いくら便利でも2歩はないだろう、6歩は動くんじゃない?と思ったものの、これまじ史実(綾子のモデルになった香川綾さんの「プロジェクトX」でやってた)。
まさに朝ドラみたいな二人のヒロインの人生。というか出演者のほとんどが朝ドラ出演勢だった。
脚本はあの(どの?)「ちむどんどん」の羽原大介だが、「2歩!?」というこんな「まさかや~」なら、視聴者のちむもどんどんするというもの。
ファンタジーを超える事実の強さ。心が舞い上がる、これこそ朝ドラ。
カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など
※週刊朝日 2023年4月14日号