「ナショナルリーグに移って、対戦したことのない投手が多い分、最初は手こずるんじゃないかと思っていた」と日本人の母を持つディランは流暢な日本語で語る。

 ムーキー・ベッツとフレディー・フリーマンという二人の強打者に挟まれていることも大谷に有利に働いているとサムもディランも分析する。相手投手は大谷を歩かせるわけにはいかず、ストライクゾーンに球を投げて勝負せざるを得ないからだ。

 「ドジャースが大谷と超大型契約を結んだことを心配していたファンは、ホッとしているだろうね」とサム。

 「意外に普通」

 フィールドでもクラブハウスでも、常に側にいた通訳の水原がいなくなったことで、大谷が以前よりもチームに溶け込んだとディランは言う。

すっかりチームに溶け込んだ(写真:アフロ)

 テオスカー・ヘルナンデス外野手など、最初から大谷に積極的に絡みに行ったチームメイトもいるが、中には「近づきにくかった」とディランに打ち明けるドジャースの選手もいたという。

 「自分のことはきっちりやるけど、あまり周りに関わりたくないんじゃないか、自己中心的なのではないか」という印象を持っていたそうだ。

 しかし、通訳がウィル・アイアトンに代わってから、大谷はチームメイトやコーチと直接、英語でやりとりする機会が増えた。

 「ウィルは、いつもすぐ隣にいるわけじゃなくて、ちょっと距離を置いている」とディランは言う。「そうなってから、何人かの選手が、大谷は『意外に普通なんだな』って僕に言ってきた。大谷は性格がいいから、話しかければ、嫌な奴という印象は与えないけど、以前は近付きにくかったんだろうね。大谷にとっても、今のクラブハウスは居心地がいいんじゃないかな。それはやっぱりプラスでしょ」

 エンゼルス時代に比べると、メディアと接する回数も時間も増えた、とディランは言う。

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