Aさんはとくに食事制限をしたわけではなく、ヨガを続けるうちに自然と痩せていったという好例です。それは急激に無理なダイエットをするのではなく、ヨガで身体の本来の機能を取り戻したからリバウンドしないのだと思います。

 そして、体と同時に心にもアプローチするのがヨガの最大の特徴です。腹式呼吸をするうちに自律神経が整えられるのでストレスはなくなり、睡眠不足も解消されます。リバウンドする根本的な原因がなくなるのです。

●ガマンや苦痛がないヨガダイエット

 私は、ヨガをしていると自然と心がオーガニックになっていくと感じています。私の運営しているスタジオではウエイトトレーニングも指導していますし、私自身もやっています。筋肉をつけるためにはウエイトトレーニングは最適ですが、その分エネルギーの消費量も激しいので、トレーニング後は肉をがっつり食べたくもなります。

 ジョギングや水泳その他の「発散系スポーツ」は、終わった後の爽快感から、せっかく仲間と走ったのに、その後のビールの爽快感に負けてしまう方も多いのではないでしょうか。ヨガは激しい運動ではないので、スポーツやウエイトトレーニングほど「やりきった感」は確かにありません。けれども、ヨガをやった後は、惰性でなんとなくアルコールやジャンクなものを食べてしまうことがなくなります。自然と添加物をとりたくないという思考になり、無農薬の野菜や添加物の入っていない食品を求めるようになりました。これは、ヨガ男子が女性に支持される理由の一つです。

 私はたびたびアメリカに足を運ぶのですが、街を歩いていると日本人の二倍はありそうなぐらい太った人をよく見かけます。彼らはファーストフード店に通い、ものすごい量のジャンクフードを食べ、運動もまったくしない。巨体になって当然です。

 そして、アメリカではそういう人が出世をすることはありません。一流の人ほど早朝からヨガをして食事にも気を使い、夜も豪遊することもなく、スリムな体型を維持しています。自分の健康をコントロールできない人が、ビジネスで人や状況をコントロールできるはずないと考えられているのです。

 日本でも、一流企業のトップで太っている人はほとんどいません。やはり健康をコントロールしている人がビジネスを制するのです。

●メタボが気になりだしたときのちょこっとヨガ

 今回は、メタボが気になりだしたときにおススメのポーズを紹介します。
以前、若返りのポーズとして「舟のポーズ」をご紹介しましたが、これはそれを手軽に椅子に座ってできるようにアレンジしました。オフィスでも、電車の中ででも(空いている時でないと大迷惑ですが)、時間がちょっとできた時に試してみてください。

(1)椅子の背もたれから体を離して座ります。背筋と首筋をまっすぐ伸ばし、胸をグッと引き上げるように意識してください。

(2)両足をそろえたまま上げて、膝をピンと伸ばします。このとき、両手で椅子をつかむとバランスをとりやすくなります。背中が丸まらないようにお腹に力を入れるのがコツです。この姿勢のまま、鼻からゆっくり息を吸い、吐くという深い呼吸を5回続けます。これを一日3~5回やってみてください。

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