ちいかわと「以心伝心」
「そういう表現をするのが私は得意だと思っています。
原作を読んで、ちいかわがその時々でどんな感情なのかを考えて、声の高さや低さを調節して、うれしさや悲しさを表現しています。
最近は絵コンテを見れば、前後のストーリーを含めて、ちいかわがどういう感情なのか、わかるようになってきました。監督さんから一発でOKをもらえたり、褒められたりするとうれしいです!」
ちいかわとは、すっかり以心伝心のようだ。きょうだいたちも、ちいかわを演じる遥さんのことを誇りに思ってくれている。
「双子の姉が広報係を名乗っていて、みんなに私がちいかわの役をやっていることを宣伝するんです(笑)。だから、ほかの学年の子たちも『アニメ、見てるよ!』とか『ちいかわをやってるなんてすごいね!』って言いに教室に来てくれたりしました。仲のいいクラスメイトから、『小さくてかわいいから、ちいかわにぴったりだね』って言ってもらえたこともあります」。
時折、照れ笑いを浮かべつつ、真っすぐに自分の言葉で話してくれる。ちいかわの好きなところを聞いてみた。
「ちいかわの、友だちのハチワレとかに気遣いができるところや、ちょっとしたことで泣いちゃうところにほっこりします。何より小さくてかわいい。だって、ちいかわだから」
「討伐」にも行ってみたい
もし、「ちいかわ」の世界に行けるとしたら、何をしたいのだろうか?
「ちいかわの家に行きたい! 私は食べることが大好きなんですが、ちいかわの世界にはおいしそうな食べ物がたくさんあります。
朝は、ちいかわが持ってる目覚まし時計で起こされて、部屋から出たら、むちゃうまヨーグルトの“ヨーグルトシュークリーム“を食べたい。その後、“フエラムネ”の湧きドコロに行ってフエラムネを食べてから、“空飛ぶピザ”でマルゲリータピザを作って食べたい。
それから、討伐に行ってみたいです!」
ちいかわの中の少女は、明るくて、真っすぐで、少し勇ましい。目を輝かせ、「ちいかわ」の世界に思いを馳せた。
(構成/ライター 小松香里)