「ヤンキースは常に日本人選手に注目している。当然、佐々木への関心は高い。投手では井川慶の失敗はあったが、田中将大(現楽天)、黒田博樹らはチームへの貢献度が高かった。野手でも松井秀喜の活躍も記憶に残るものだった。契約には至らなかったが山本の獲得にも本気で動いていた」(MLBアジア地区担当スカウト)

 しかし地元では佐々木獲得に関して早くも賛否両論が出ている。ヤンキース専門サイト『Yanks Go Yard』は現地6日に「(ヤンキースは)ササキに対して時間を無駄に費やすべきではい」というタイトルの記事を掲載。ドジャース入りした山本を引き合いに出し「現状ドジャースと相思相愛と言われる選手」を追うのは時間の無駄であると論じている。

 またファン、関係者の多くは日本人として大きな期待を背負いながら、“大失敗”に終わった井川のことも忘れてはいない。2006年オフに5年2000万ドル(約30億6000万円)プラス出来高で契約を結んだ左腕は、実働わずか2年間で16試合の登板(うち13試合は先発)。2勝4敗、防御率6.66と期待外れに終わり、「FA補強の最大の失敗例の一つ」と言われ続けている。

「井川のような失敗もあったが、日本人選手が大きな貢献をしたのは事実。また大谷の活躍でエンゼルスやドジャースが潤ったのを見て、影響の大きさを再確認しているはず。戦力としてはもちろんマーケティングの観点からも佐々木は欲しい選手でしょう」(米国ヤンキース・ビートライター/担当記者)

 日本人でも知名度の高い佐々木の獲得はグラウンド内外でヤンキースに利益をもたらすと考えられているよう。大谷と山本が所属するドジャースを見ても明白だ。

「日本国内ではドジャース入団が既定路線のように言われるが今は何も決まっていない。大谷や山本と同じチームにいるのが見たいという日本人の願望が先行したニュースでしかない。ヤンキースが本気になれば、プレー環境や契約内容などで他球団を凌駕する破格条件を提示するはず」(在米スポーツライター)

 ヤンキースは昨オフにトレードで球界屈指の左打者フアン・ソト外野手を獲得してはいるが、近年の補強などに関しては他球団に遅れを取っている印象もある。しかし「悪の帝国」と言われる球団が本気になれば、金に糸目をつけずになりふり構わずやってくるはず。「義理人情」が重宝されるのは日本だけで米国では全てがビジネス(=お金)だ。

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ヤンキースは何が何でも佐々木獲りに動くか