
井下田:そうですね。私はその仲間には入れてもらえませんでしたし、こちらも人に媚びるのが嫌いでしたから、1人でいることが多かった気がします。ただ、なぜか私は、いじめられっ子たちの中では人望があり、『いじめられっ子たちのリーダー』みたいにはなっていました。おそらく、自分自身がいじめられっ子で、弱い者の気持ちがわかって、いつも味方になっていたからかもしれません。
西沢:なるほど。現在、井下田さんはSNSを配信されていますが、それを拝見すると、弱い者というか、悩んでいる人たちに向けての熱いメッセージが感じられます。その下地は小学生の頃からあったんですね。
イケイケで転職するも、大ピンチに
西沢:そうなると、ご自身で『選ばれる人』を自覚するようになったのはいつ頃からなんですか?
井下田:それはやはり社会人になってから、日本IBM社に入社してからです。何しろ、社内外でプレゼンテーションをする機会があって、選ばれないことには話になりませんでしたから……。まだ明確に「選ばれるために何をするべきか?」みたいなことは意識していませんでしたが、おそらく、この頃に『選ばれること』が日常になっていった気がします。
西沢:そうこうしているうちに、日本IBM社を志願退職されて、社員数わずか16名のベンチャー企業に転職されたわけですね。
井下田:そうです。日本IBM時代に、個人で1千回を超える講演会をやったりしていて、『会社の看板に頼らなくても自分は世の中に通用するのか?』を試してみたくなったのです。
西沢:すごい度胸だと思います。でも、著書にあるように、転職したベンチャー企業が開発していた新製品が大コケてしまった。そして業績が大ピンチになり、井下田さんは、エンジニアでありながら営業同行をすることになるわけですね。
井下田:そうですね。このままでは半年後には倒産という非常事態でしたから。
初めての営業同行で、選ばれるための「ハッタリ」!?
西沢:ビジネスコンペ300戦無敗ということは、初めて営業同行をされたときのコンペも勝っているわけですよね。そのときのことを教えてください。