宮内庁インスタグラムから

キラーコンテンツは愛子さま

 若年層を含む幅広い方へのキラーコンテンツは、間違いなく愛子さまだなー。そう思って読んでいたら4日、「愛子さま、明治神宮初参拝へ」というニュースが飛び込んできた。4月10日、明治天皇の妻である昭憲皇太后百十年祭にあたり初参拝する、その日は日赤の仕事は休む。そう宮内庁が発表したそうだ。卒業以来、次々繰り出される愛子さま情報。宮内庁が活気づいている感じが伝わってくる。

 愛子さまはきっとこれから、国民と皇室とをつなぐ役割を担っていくのだろう。日赤での仕事、公務。その両方が愛されポイントになるはずだ。そう理解すると同時に、「愛子さま頼みだなー」と思う。宮内庁、国民、両方が頼っていると思うのだ。

 だって皇室の次代を担う男性皇族悠仁さましかいない。男系男子による天皇制が危うい状況にあるのは誰の目にも明らかなのに、議論は全然深まっていない。これはとても深刻な事態で、深刻だからこそ考えたくない、愛子さまの明るい話題だけを見ていたい。それが宮内庁で国会で、国民だと思う。

 宮内記者会は愛子さまに、安定的な皇位継承を巡る議論が進んでいないことを尋ねている。「公務の担い手が先細ることについて、内親王としてどのように受け止め、皇室の将来やご自身の役割をどのようにお考えでしょうか」と。愛子さまは「公務に携わることのできる皇族の数は、以前に比べて少なくなってきていると承知しておりますが、制度に関わる事柄につきましては、私から発言することは控えさせていただければと思います」と答えている。宮内庁も国会も国民も「制度に関わる事項」を真剣に考えるときだと思う。

(コラムニスト・矢部万紀子

学習院大学卒業式での愛子さま(雑誌協会代表取材)
学習院大学卒業式での愛子さま(雑誌協会代表取材)
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矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

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