伊勢神宮を参拝する愛子さま=2024年3月26日、三重県伊勢市、代表撮影

 というわけで、宮内庁も愛子さまの話題は増やしたいに違いない。卒業と同時に常勤嘱託職員として入社する初の内親王だ。となれば、卒業と就職、二つのタイミングで質問に答えてもらうことが可能ではないか。ということで遂行されたのが「文書を2度に分ける作戦」。これが、最初の文書で「質問が少なーい」と書いてしまった私の推論だ。

愛子さまの愛されポイント

 愛子さまの2度目の文書も賢く、謙虚で、前向きという愛子さまの愛されポイントがたくさんあった。白眉は結婚関連への回答だと思う。「理想とする時期やパートナー像、結婚観」を「両陛下のご助言」の有無とともに聞かれたが、愛子さまは「一緒にいてお互いが笑顔になれるような関係」を理想としてあげた上でこう答えている。「両親から具体的なアドバイスを頂いたことは特にございませんが、両親のようにお互いを思いやれる関係性は素敵だなと感じます」。天皇家の仲の良さを、国民はまた確信できる。

 心動かされる出会いはありましたか。愛子さまは、そうも問われた。答えは「私にとっては、これまでの出会い全てが心を豊かにしてくれたかけがえのない宝物であり、深く感謝しております」。プライバシーに関する微妙な質問を、一般論で切り返し感謝にまでもっていく。なんて賢いんだ、愛子さま。その上、こう続けたのだ。「これからも様々な出会いに喜びを感じつつ、一つ一つの出会いを大切にしていきたいと思います」。前向きワードで締めるなんて、無敵じゃないか、愛子さま。

 話を少し変える。宮内庁が4月1日からインスタグラムを始めた。そもそもこれは秋篠宮家、中でも眞子さんへのバッシングがどんどん高まる中、皇室の情報発信のあり方を再考することからスタートした話だ。23年4月に設置された広報室がSNSの利用を検討、1年経って実現した。写真や動画を一挙に19件投稿し初日から2日でフォロワーが57万人を超え、この原稿を書いている5日現在では71万人を超えている。

 投稿されたのは公的な活動のものがほとんどで、宮内庁HPをしばしば見る人間(私のことだが)には見たことあるぞ感が強い。もっともインスタグラムが対象としているのはそういう人間ではないことは明らかで、黒田武一郎宮内庁次長は1日の記者会見で「若年層を含む幅広い方に皇室に関する発信をぜひご覧いただきたい」と語ったそうだ(「毎日新聞デジタル」4月3日配信)。

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愛子さま頼みだなー