岡本和真(右)は四回に本塁打を放ち、笑顔でチームメートに迎えられる(USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)
岡本和真(右)は四回に本塁打を放ち、笑顔でチームメートに迎えられる(USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 大会方式にも改善点が多い。1次リーグの組分けは「不公平感」が否めなかった。日本が4連勝したB組は中国、韓国、チェコ、オーストラリアで、日本と実力差があるチームが多かった。これに対して「死のグループ」と呼ばれたD組はプエルトリコ、ベネズエラ、ドミニカ共和国と強豪国がひしめいた。準々決勝まで米国、メキシコ、プエルトリコ、ベネズエラ、ドミニカ共和国と対戦しなかった侍ジャパンは「大会方式に恵まれた」という声が上がる。ただ、米国で開催された準決勝・決勝で長距離移動の疲れと時差ボケに見舞われながら頂点に立った。

■ルールが急きょ変更に

 大会途中の不可解なルール変更も物議を醸した。「米国が勝ち上がった場合、1次リーグの順位にかかわらず準々決勝は(3月)18日、準決勝は20日に行われる」という内容の文言が公式サイトの日程表につけられていたが、大会中に削除された。大会前の発表では1次リーグの順位に関係なく日本が米国と20日の準決勝で対戦する予定だったが、急きょ変更に。日本が準決勝に進出した際の対戦相手が米国でなくメキシコ−プエルトリコ戦の勝者に変わった。

八回に登板したダルビッシュ有。チーム最年長選手として後輩たちを引っ張った(USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)
八回に登板したダルビッシュ有。チーム最年長選手として後輩たちを引っ張った(USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 大リーグ機構(MLB)のチーフオペレーション兼ストラテジーオフィサーのクリス・マリナック氏は16日に東京ドームで記者会見を開き、「日本と米国がどのような勝ち上がりでも準決勝で対戦するというのは間違った情報です。米国が(C組)1位なら対戦の可能性はあったが、2位になったので(決勝まで対戦の)可能性はなくなった」と説明したが、他国は納得できない。準々決勝の2日前に日程変更が行われる前代未聞の事態となり、メキシコは1日前倒しで17日に試合をすることに。準々決勝でプエルトリコに5−4で逆転勝利を飾ったが、選手たちは「アメリカファーストが露骨すぎる」と大会運営に不信感をあらわにしたという。

「大会を主催するワールド・ベースボール・クラシック・インク(WBCI)はMLBとMLB選手会が立ち上げた組織です。大会の日程変更には驚きましたが、米国が有利になるようなルール作りが暗黙の了解になっている。今回も日本の戦いぶりを見て強いと判断し、決勝で米国と対戦したほうが興行的に盛り上がると判断したのでしょう」(米国駐在のスポーツ紙記者)

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