「レイザーラモン」のHGさん(撮影/中西正男)

一発屋だと認めない時期もあった

 自分で考えてもバカバカしさがある話ですし、どこまでも「なんやそれ!」の話なんですけど、そこで感じたのがこの世界のやさしさだったんです。

 センシティブかつバカバカしさもある。こんな扱いにくい変更をあらゆる芸人さんがこれでもかと面白おかしくイジってくださった。特に、有吉弘行さんはこれでもかとイジってくださいました。もうこれ以上ないというくらい、あらゆる形でイジってくださいました。

 バカみたいな流れだけど、みんなが笑ってくれる。イジリで笑いになる。本当に、本当に、それで救われました。一つ道が見えたというか。

 有吉さんは一発屋と呼ばれる人にすごくやさしい。それはご自身も一発屋と呼ばれていたからだし、ご本人もおっしゃってますけど10年近く地下にもぐっている時代があった。

 その経験があるから、気持ちがわかるから、すごくやさしい。僕にはマネのできないこともありますけど、そのやさしさは自分も次の人たちに渡していかないといけないものだと思っています。

 一発屋ってね、基本的に抜け出すことはほぼ不可能なんです。一発目を超える二発目を当てるしかない。それが唯一の脱出口なんです。それをやり切ったのは有吉さんくらいです。

 そして、そもそも一発屋と自分で認めることにもハードルがある。実際、僕も認めない時期があって、逃げていたこともありました。でも、周りにダンディ坂野さんや長州小力さんとかがいらっしゃって、その方々は堂々と一発屋としての仕事を受けて、これでもかと結果を出してらっしゃる。

暮らしとモノ班 for promotion
「更年期退職」が社会問題に。快適に過ごすためのフェムテックグッズ
次のページ
ネガティブなレッテルがブランドになるまでやる