「レイザーラモン」のHGさん(撮影/中西正男)

「ハードゲイ」という言葉はナシで…

 HGの衣装で「どーもー!ハードゲイです!」と言って腰を振り「フォー!」と叫ぶ。いつも通りの一連のムーブをしました。そこでディレクターさんが駆け込んできて「…すみません、ハードゲイという言葉はナシでお願いできますか」と言われました。

 少しずつ時代の変化は感じてました。ただ、もちろんのこと、自分の中でバカにするような思いなんてみじんもないし、敬意を払って、通せるところは筋も通してやってきた。そんな感覚だった中、もうこれはダメなんだと……。

 その番組が号砲になったように、そのあたりから他の現場でも、バタバタと「ハードゲイというワードはすみません……」となっていきました。キャラクターは自分が生み出したものだし、いわば子どもみたいなものです。もちろん「はやり廃り」はあるけれど、こういう形でいきなりナシになってしまうのか。正直、すごくショックでした。

 事実として世の中にはいろいろな方がいらっしゃる。僕が筋を通したつもりになっているだけで、それはごく一部の方に勝手におうかがいを立てていただけのこと。どこまでも独善的なことですし、不快に思われる方がいらっしゃるかもしれない。それは全くもって否定できないことです。

 いくら子どものような存在とはいえ、これはもう完全に辞めたほうがいいのか。でも、細かく言葉にするのは難しいけど、それが正解とは思えない自分もいる。

 その思いの中で考えたのが、幼稚な考えかもしれませんけど、HGの意味を変えるということだったんです。

 ハードゲイではなく“ホットガイ”にしよう。ま、そうなると「そもそも、ホットガイってなんやねん!」という話にもなるんですけど、とにかく熱い男だと。さらに、それを踏まえると相方のRGは何の略やねん?リアルガイ?ただの男やないか!みたいなことにもなるんですけど、このキャラクターを続けるためにその変更をしました。

暮らしとモノ班 for promotion
「更年期退職」が社会問題に。快適に過ごすためのフェムテックグッズ
次のページ
有吉弘行の優しさ