男性が常備していた紅麹コレステヘルプ。ロットナンバーを確認したところ、該当していた(男性提供)

サプリは薬より「安心安全」ではない

 紅麹コレステヘルプはパッケージに「悪玉コレステロールを下げる L/H比を下げる」と書かれている。L/H比とは、LDL(悪玉)コレステロール値とHDL(善玉)コレステロール値の比率のことだ。

「人は薬よりサプリメントの方が『安心安全』と捉える傾向があります。しかし、薬は効果と安全性が厳格な臨床試験で確認されています。医師の管理下で使うので、副作用を疑う症状が出た場合、即ストップをかけることができる。メリットがデメリットを上回ることが明らかだから、薬を使うのだと理解してほしい」(米山医院・米山公啓院長)

 紅麹コレステヘルプを愛飲していた冒頭の会社員男性もしみじみ言う。

「薬ではなくサプリだから、健康の一助にはなっても、悪い影響や副作用はないと思っていました」

 男性は小林製薬に問い合わせてはみたが、電話窓口は営業時間外のアナウンスでつながらず。「4月1日から問い合わせ対応を開始するとのことですが、遅いと感じます。そもそもいつごろ事象を把握していてなぜ今、公表したのか、わからないことだらけ。国内大手だからと信頼していたのに、いまは不安と不信感しかないです」(男性)

 今後、国立医薬品食品衛生研究所が小林製薬からサンプルの提供を受け、プベルル酸以外の物質も含め調査し、原因物質の特定を進めていく方針だという。

(ライター・羽根田真智)

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