昨年は、創業以来の利益を達成した。今年の会社のスローガンは「小さな努力を積み重ねる」。一朝一夕では成らぬ筋肉づくりと通じるところがある。
65歳以上が約3割も
ボディメイク大会に5回の出場経験があり、昨年は某大会で3位に入賞した笹隈幹人さん(30)。学生時代はどちらかというとだらしない体形で、「◎◎君の体、かっこいいよね」と言う側だった。それが今では完全に逆の立場。彼から出た言葉も、三村さんと同じ「自信」と「ポジティブ」だ。
「体を褒められることが増え、自分に自信を持つようになり、性格が2段階増しくらいポジティブになった」(笹隈さん)
スイーツやコッテリ系のジャンクフードが大好き。しかし、たとえ目の前で誰かが食べていても、これを食べて体の仕上がりが納得いかないものになったら嫌だと思うと、我慢できる。仕事をしていても買い物をしていても脳裏に筋トレがあり、時間を作り出すためにどう効率よく物事を進めればいいか、自然と考えている。
「日々の生活にハリが出て、妻から『一層楽しそうだね』と言われます」(笹隈さん)
フィットネスクラブ「ゴールドジム」を運営するTHINKフィットネス代表取締役社長の手塚栄司さんは、筋トレの効果は数知れないという。
「ざっと挙げるだけでも、血管血流量の改善、男性ホルモンの分泌の向上、更年期症状の改善、骨の強化、フレイルやサルコペニア予防、セロトニンやドーパミンといった脳内ホルモン分泌促進などなど。最近は、マイオカインという物質の分泌が筋トレで高まり、脳細胞活性化やがん予防につながるとも報道されています」(手塚さん)
(ライター・羽根田真智)
※AERA 2024年4月1日号より抜粋