「素朴な良い人という印象。頼んだことを忘れたりすることもあったが、すぐに飛んできて頭を下げるなど謙虚な人だった。日本人選手やスタッフとの食事会にもよく顔を出して楽しそうにしており可愛がられた。翔平も心から信頼していたはず」(日本ハム関係者)
実際に水原氏を知る人物からはポジティブな声が多く聞かれるが、ドジャース解雇後からは人物像や過去の経歴などをネガティブな形で掘り起こされている。時間にルーズな一面やカジノディーラーの養成学校へ通っていたことも報道されている。また、水原氏が卒業したとされるカリフォルニア大リバーサイド校には出席した記録がないことも現地で報道され、“学歴詐称疑惑”まで浮上している。
大谷の通訳としてこれからも順風満帆な人生を送るはずだった。昨年エンゼルスの本拠地開幕戦で選手や球団スタッフが紹介された際には「大谷の次に大きな声援」を受けるなど現地のファンからも愛されていた。だが、違法賭博の問題で一気に窮地に陥ってしまった。
「お酒も飲むし、カードゲームなども好きだったけど、ギャンブルにのめり込むような感じではなかった。翔平のそばにいることで注目を集め、プレッシャーも大きかったのだろう。人間は弱いので現実逃避だったのかもしれない」(日本ハム関係者)
大谷が活躍するほど二人三脚で歩んできた水原氏の存在がクローズアップされた。テレビのワイドショーや雑誌などで特集を組まれることもあり、来年春から使用される中学英語教科書にも登場予定だった。
「日本での注目度が異常なほど。米国内では主役は選手であり通訳は“裏方”に過ぎず、水原氏も存在を知られている程度。ネットを通じて日本における自らの注目度をリアルタイムで知ることができるため、何かと重圧を感じたのではないか」(在米スポーツライター)
「生活はやりくりが大変だった。(大谷の)ライフスタイルに合わせなければならないところもあった」と『ESPN』では苦悩を語っていた。
接点のある人からは悪い話を聞かない、根っからの善人のようだ。しかしどんな理由があるとはいえ、取り返しのつかないことを起こしてしまったことは消せない事実だ。