しかし、“Manage”の本来的な意味は管理することではありません。英英辞典で調べてみると、最初に出てくるのは“to succeed in doing something, especially something difficult”といった説明です(『オックスフォード現代英英辞典』による。)。“Manage”はそもそも「どうにかうまくやっていく」といった意味合いの言葉です。
事業の“Management”は管理することだけではありません。特に人は、他人からの管理が強ければ強いほどやる気を失っていく生き物です。人を管理しても人は主体的に動いてくれません。事業の“Management”とは、人・物・金といった経営資源をどうにかうまく活かして、組織の目的・目標を達成していくことなのです。
管理会計も数字を使って管理するだけのものではありません。管理会計とは、会計を使ってどうにか利益をあげ続けていくためのものなのです。
財務会計は、企業の正しい事業実態を外部に知らしめるための会計です。つまり、過去の整理です。一方で、管理会計は未来のための会計です。どうにか利益をあげ続けていくためには未来に向かって手を打たなければなりません。未来に向かって何か手を打たないのであれば分析しても意味がありません。