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 健全な企業経営にとって、必要不可欠な「管理会計」。しかし、その言葉は翻訳によって本来の意味から変わってしまったと指摘するのは、米国クレアモント大学ピーター・ドラッカー経営大学院でMBAを取得し、経営コンサルタントとして活躍する國貞克則氏だ。「管理会計」の本質を朝日新書『財務3表一体理解法 「管理会計」編』から一部を抜粋、再編集して解説する。

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未来に向かって手を打つ

 会計をマネジメントに活用するということに関して説明しておきたいことは、未来に向かって手を打つことが大切だということです。

 私たちは英語を日本語に翻訳して使っています。英語とほぼ同じような意味の日本語に翻訳できている単語もあればそうでない単語もあります。日本では“Management”が「管理」と訳されてきました。管理と訳されたために“Management”のイメージが大きく変わってしまいました。

 もちろん、“Manage”という言葉には“Control”的な意味合いもありますし、日々のマネジメントに管理は必要です。実際、私たちの日々の仕事の多くは計画と進捗管理です。管理会計においても、売上高に合わせて費用をコントロールしていくといった管理的要素は必要です。

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管理会計は管理だけするものではない