鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、篠田麻里子さんとドラマ「離婚しない男」について。
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篠田麻里子様
ドラマ「離婚しない男」お疲れ様でした。あの原作を読み、綾香というとてもハードな役を誰にやってほしいかと考えたときに、篠田さんの名前が自分の頭に降ってきました。
もちろんやってくれるわけないと思っていました。やってくれるわけないけど、やってくれたら絶対に話題になるだろうと思っていました。
プロデューサーに「ダメ元で聞いてください」と頼みました。そしたら奇跡が起きました。
最終回までの配信が3000万近い再生になりました。テレビ朝日のとんでもない記録となりました。
このドラマは篠田さんがやっていなかったら、こんなに話題になっていなかったと思いますし、成功していなかったです。
篠田さんには小さなお子さんがいて、一人で育てている。だから余計に絶対、この役はやれないだろうと思っていました。
その状況の中で、この役を引き受けてくれたことが、相当な覚悟であることを、ドラマ放送終了後の、篠田さんがインスタに書かれた文章を見てわかりました。
オファーを最初に聞いたときから、ネガティブに捉えていたこと。やったら、自分だけじゃなく周りの人も傷つけるんじゃないかという不安。
だけど沢山の不安の中、これをチャンスと捉えてベットしてくれたこと。そして「自分じゃない誰かが演じている綾香をテレビで観たら、絶対に悔しいだろうな」と思い、やると決めてくれたこと。
撮影に入る前も、怖くて体が震えて不安で眠れなかったと書いてありました。
一人で子育てをしながらの撮影になるわけです。
だけど、篠田さんは挑んでくれた。
篠田さんの気持ちを感じたスタッフや出演者の皆さんのハートが、篠田さんを安心させてくれたことも伝わりました。
放送が終わり、想像以上のとんでもない評判になりました。