放送作家の鈴木おさむさん

 鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、役者・小池徹平について。

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 テレビ朝日ドラマ離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛」の脚本を担当させていただいてます。おかげさまで3話までで見逃し配信1000万を超えまして、いろんな記録を作ることが出来てます。

 主演は伊藤淳史さんですが、主演女優は篠田麻里子さん。浮気する妻の役で篠田さんを主演女優にしたことで、話題になりました。お芝居もとてもいい。

 篠田さんが話題になることが多いのですが、すごいなと思うのは、伊藤君のサレ夫の受け芝居と、ベッドシーンを演じることが多い小池徹平君です。

 篠田さん演じる綾香と不倫する男マサトを演じる。ベッドシーンの連発で、僕が書いたかなり濃いめのセリフを役になりきって演じてくれています。綾香の体をナメて「綾香汁の味がする」と言ってみたり、「BIG OR SMALL?」とベッドの上で聞いてみたり。

 このマサトの役を演じてもらうには、かなりの振り切りが必要。しかも色気がないといけない。かなり悩みましたが、僕が何度もお仕事をさせてもらった小池君にオファーしました。

 小池君にとっての初主演映画となったラブコメ青春映画「ラブ★コン」という作品、僕が脚本を書いていました。あれから20年近くのお付き合いになります。

 そこからいろいろなドラマに出ていただいたのですが、ABEMAでの作品「奪い愛、夏」というドラマがあった。そこで松本まりかさん演じる女性とのベッドシーン。小池君演じる主人公は、とてもくだらないことを真顔で言う予定でした。

 ですが、小池君はどうしてもその役でそのセリフが言えないと、カットになりました。

 カットになったことはスタッフから聞いていたのですが、そのドラマの打ち上げで、小池君が僕にいきなり謝ってきました。「おさむさん、ごめんなさい」と。

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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