また、病院で治療中の患者に対しては、

<病院での毒殺はやめとけ。体内に余計なモノが入っていれば検査すればわかる。「劇薬」「毒薬」にカテゴライズされるこれらは管理が厳重。肝機能や腎機能も悪化するから採血で検査値が異常を叩きだす。バレたら逮捕、起訴、刑務所行き待ったナシだ>

 第2章では、

<狙い目が在宅医療。(中略)患者を死なせようと思うなら、ここにつきる>

<医師が処方する薬を使えば自然死に見せて葬り去ることができる。急変時には余計なことはしないで自然に看取る(心肺蘇生を行わない)「DNAR」ってことにしてあると、今まで訪問診療に来る医者はそのまま死亡診断書を書いて一見落着(ママ)。火葬されてしまえば何ら証拠も残らない>

山本被告が書き写した大久保被告が作った「殺害マニュアル」の内容

 大久保被告は、このマニュアルの一部も取り込んで、

『扱いに困った高齢者を「枯らす」技術 誰も教えなかった、病院での枯らし方』

 というタイトルの電子書籍を「山本直樹」名義で執筆していた。

 なぜ大久保被告が安楽死に傾倒していったのか。

 山本被告はこう話す。

「大久保は、寝たきりの人や高齢者は医療費をむさぼり、不要だと言い、口癖のように『片づける』と言っていました」

 前出の「マニュアル」は、13年くらいから何度かメールで送られてきたという。

「大久保は法医学で解剖などをやっていた時期があり、事件・事故の関係で警察ともコネクションがあったようです。『死亡診断書を役所へ出せば火葬許可証がもらえる。事件にはならない』とマニュアルでも解説し、完全犯罪ができると書いていました。私の父のときも、死亡診断書の病名などの書き方まで指示しました。私が死亡届を出し、火葬許可証をもらうまで、大久保は役所近くで待機しているほどこだわっていた」

 と山本被告は説明した。そして、

「大久保は、安楽死、嘱託殺人、受験資格でもとにかく、裏口を見つけると反社会的なことであっても成功するか試したくてしょうがなくなる。こだわりが非常に強い人物なのです。一般常識ではなかなか理解できない」

 とも付け加えた。

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