そもそも山本被告と大久保被告の関係性はいつからあったのか。

 山本被告は医大生だったが父が大学とトラブルを起こし、中退を余儀なくされ、医師になることができなかった。一方、厚生労働省では「医師国家試験受験資格認定」という制度を設けていて、海外の医学部などを卒業した人が受験資格を得ることができる。当時、大久保被告が技官としてその部署に配属されていた。

「大久保から、受験資格を得ることができると誘われました。大学中退なので無理だというと、こういう制度があるので指示通りにしろと。医師免許があると助かるので韓国に行き、大久保の紹介で会った人物から、韓国のK大学医学部を卒業したとする書類一式を買いました。それを提出すると受験資格を得ることができたのです。おかげで医師になれましたが、大久保には弱みを握られて、縁は切れませんでした」

 大久保被告の判決後、京都の女性患者の父は、

「もし娘が生きていれば、たくさんの人に囲まれて未来があったかもしれない。第二、第三の娘のような人が出ないことを切に願います」

 と語った。

(AERA dot.編集部・今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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