大阪・関西万博の「2億円トイレ」が話題になっている。「高すぎる」という意見と、規模を考えれば「妥当だ」という声も。このトイレについては他でも話題になっている。吉村洋文・大阪府知事は3月4日、自身のX(旧ツイッター)で、さまざまな「デマが流されている」として、「くみ取り式ではないか」との指摘について「水洗だ」と否定している。建設費増やパビリオン建設の遅れなどの問題が出てくる万博だが、今回はトイレだ。
《万博トイレが2箇所だけ、1日入場者16万人中8万人分が汲み取りになるとかデマが流されているので、説明します》
日本国際博覧会協会(万博協会)の副会長でもある吉村知事は4日、Xにそう投稿した。
吉村知事によると、万博のトイレは全体で40カ所、1日最大1万1千立方メートルの下水処理が必要と想定しており、これに対し、1日最大1万9千立方メートルの下水整備をするとしている。そして、「くみ取りではなく、全て水洗です」と強調した。
自見万博相「高額とはいえない」
そもそも、トイレがこれだけの話題になったのは、万博で設置される40カ所の公衆トイレのうち、8カ所がコンペで選定された若手の建築家が手掛ける「デザイナーズトイレ」となることからだった。このうち5カ所は落札済みで、万博協会の資料によれば、契約金額は便器13個の最小規模で約7千万円、便器50~60個の最大規模で約1億8千万~1億9千万円となっている。
万博はすでに、当初の1250億円から2350億円に建設費が高騰し、批判を浴びているなかでの「トイレに2億円」に、SNSなどでも「高すぎる」といった批判的な声が多く上がったり、野党の国会議員からも指摘されたりして大きく報道された。
自見英子万博相は、2月20日の記者会見で「2億円トイレ」について聞かれると、
「建築家が設計するので、アート、美しさも考慮している。8カ所のうち2カ所は約2億円で契約しているが、大規模な公衆トイレ施設で高額とはいえない」
と述べた。