工事が進む万博会場(3月2日撮影)

 建築エコノミストの森山高至氏は、

「トイレに2億円と、万博は相変わらずコスト意識に欠けます。万博は半年だけの開催なのでレンタルでも十分ではないか。若手建築家にこそパビリオンの設計をやってもらうべきだ」

 と指摘する。

「さすが日本というトイレに」

 また、パビリオンの設計をしている建築家は、

「(トイレの設計に)選ばれた建築家の面々を見ると、かなりの腕利きがそろっている。吉村知事は『若手建築家』と言っていたが、実力派という表現のほうが的確ではないか。すでに公衆トイレで評価が高いものを世に送り出している建築家も含まれている。トイレなので、パビリオンのような斬新さや創造性などを優先してはいけない。いくらデザイナーズトイレといっても機能性、使い勝手が最も重視され、予算がかなり制約されるのは当然。かかった費用に見合うのかは、来場者が判断すればいい。日本のトイレがきれいなことは世界的にも有名なので、『さすが日本』というトイレができるかどうかではないか」

 と話した。

(AERA dot.編集部・今西憲之)

著者プロフィールを見る
今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

今西憲之の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
ヒッピー、ディスコ、パンク…70年代ファションのリバイバル熱が冷めない今