友人に紹介されてオーストラリアで出稼ぎをしたヨウコさん(仮名・34歳)も、接客中に客から乱暴を受けた経験があるが、「薬物中毒の客に薬漬けにされた子がいる」「プレイ中に暴力を振るわれて大怪我を負った子がいる」「レイプされた子がいる」「マフィアが経営している店で、女の子たちが寝泊まりしているシェアハウスに泥棒が入り、金銭を全て盗まれたけど、泥棒は経営者の手下だったらしい」などの話を耳にしたことがあるという。真偽のほどは不明ではあるものの、SNS上では「客に薬物を強要された」「ビザを没収され、軟禁状態で労働させられた」「出稼ぎに行って、帰ってきていない子がいる」、はたまた「目をえぐられた」「体内に電球を入れてかち割られた」といったショッキングな話も散見される。
ラオスでの人身売買
実際に、2023年には外務省が注意喚起を促す事態も起こっている。場所は、ラオス北西部のボケオ県(タイ、ラオス、ミャンマーの国境地帯)にある経済特区「ゴールデン・トライアングル(金三角)」。かつて世界最大の麻薬密造地帯として知られた場所だ。現在は中国資本によって開発された経済特区として、カジノ(キングス・ロマン・カジノ)を中心に栄えている。中国本土さながら、人民元が流通し、町の看板も、話す言語も中国語。客の中心は、中国内陸からやってくる、中国人の富裕層だという。同地区は、米財務省も「人身売買や麻薬取引、希少生物の売買など、数々の違法行為の舞台になっている」と指摘している超危険地帯なのだが、2023年、この地区での高額出稼ぎの案件情報がSNSなどを介して、日本でも広く出回った。