ぼう然自失とした状態(災害発生から1日以内)
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「ハネムーン期」と呼ばれ、興奮し、活発になる状態。被災者同士や支援に来た人たちと強い連帯感が生まれる(長い人で数カ月間)
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「幻滅期」と呼ばれ、心身ともに疲弊した状態に陥る(数カ月たったころから)
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「再建期」。生活の立て直しに前向きに取り組むようになり始める。
被災した後、ある程度の期間は「がんばらなきゃ」「負けないぞ」と、活動的になる。だが、そのエネルギーは長くは続かない。
「どれだけがんばっても、失ったものを完全に取り戻すことはできません。その現実に直面する中で、心も体も疲れ切ってしまう時期がやってきて、うつ病を発症する方もいます。支援を受けるために行政に提出する書類を作るなど、やるべきことが分かっていても、まったく手につかない状態になるのです」(鈴木さん)
そんな「幻滅期」にある被災者や遺族に、「がんばれ」のエールはつらい。「いったい何をどうがんばればいいのか」と心が傷つき、精神状態をより悪化させてしまう可能性もあるという。
「早く忘れて」なども逆効果
「寝込んでいても、泣きじゃくっていても、それで良いんです。想像を絶する状況に置かれているのですから、むしろそれがごく普通の反応だということを、知っていただきたいと思います」と鈴木さんは話す。
「早く忘れて」「くよくよしないで」などの言葉も逆効果になる場合がある。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)を抱える人が、思い出したくなくてもその瞬間がフラッシュバックしてしまうように、強い記憶ほど頭に残ってしまうためだ。
「できないことを言われるのは、とてもつらいことなのです」(鈴木さん)