避難者と言葉を交わす岸田文雄首相(右手前)=2024年1月14日
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 能登半島地震の発生から早くも1カ月が過ぎたが、現在も住民の1万人以上が避難生活を続けている。当初、SNSでは「初動が遅い」「後手に回っている」などと批判が起きていたが、現在、国会でも、政府の当初の対応について同様の指摘がされている。岸田文雄首相は「迅速に取り組んだ」と答弁しているが、国民の感覚としてはどうだったのだろうか。AERAdot.では緊急にアンケートを実施し、岸田首相の対応などについて尋ねた。【前編】

【怒りの思い】1000人超が答えた岸田首相の震災対応への評価はコチラ(グラフ3枚)

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 アンケートの募集期間は1月17日から22日で、1204件の回答を集めた。回答者の内訳は、女性が35%、男性が55%、答えたくない・無回答などが10%だった。

 質問は「岸田首相の自衛隊派遣のタイミングについて、どう感じたか」「岸田首相が被災地を訪れたのは1日14日だったが、このタイミングについてどう思うか」「岸田首相の震災対応について点数をつけるとしたら何点か(最高は100)」など。

 岸田首相の自衛隊派遣のタイミングについては、「遅かった」が74%と最多だった。「早かった」は9%、「早くも遅くもなかった」が17%だった。岸田首相と回答者の認識には大きな差があった。

「遅かった」と回答した人たちに「なぜ遅いと感じたのか」を記述で回答してもらったところ、

「初動の段階(震災から3日間)で自衛隊を大量投入していればもっと多くの命を救えたはず。今回の地震は対応が遅いと意味で人災の側面もあると思う」(50代、男性、北海道

「毛布、防災トイレ、水などはすぐに必要な物資とわかっているわけだから、大型ヘリでどんどん上から落とせばいいのに、何をのらりくらりしていたのか? 外国からの援助も止めていたが、すぐにやってもらえばいいと思う」(50代、女性、東京都)

「予算も自衛隊も様子見しながらの逐次投入! この遅れがなければ助けられた命があったはず」(70代以上、男性、埼玉県)

 などの回答があった。自衛隊の派遣、救援物資の輸送、予算手当まで多くの点で岸田首相の対応が後手に回ったという印象を受けたようだ。

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岸田首相の姿勢や意識の問題を指摘する声も多数