どのように客と交渉し、サービスをするのかを知るために、最初は別の女性の接客の様子を見学させてもらった。その後、週2~3日の出勤からスタート。初めのうちは、緊張して冷や汗をかきながらの接客で、客から「大丈夫? もっとリラックスして」と心配されることもあった。だが接客を重ねるごとに少しずつ慣れ、最初は日本円で6万円程度だった稼ぎも、ひと月後にはチップを含めて週に20万円程度になった。

 接客人数は日によって差があるが、多い日は1日10人ほど。ユウコさんが働く店は都市部の歓楽街の近くにあり、客数が多く回転率が良いほうだったことも大きい。

「最初のうちは、“大丈夫かな、私にできるかな”ってかなりビビってましたけど、やってみたら案外できたという感じでした。何よりめっちゃ稼げるから続けられた。そりゃ気持ち悪いな、疲れたなって思うこともありましたけど、他の仕事に比べたら、短時間ですごく稼げる。“そっち方面”の知識も得られるし、変な話、私にとっては学びもある仕事だった。翻訳アプリとかも使いながらですけど、客と一対一で会話もするので、日本食レストランにいる時より英語を話す機会も多くて。稼げるなら、やるしかないって感じでした」

 週2~3日勤務なので、残りの日は観光したり、遊んだりして過ごせた。行きたかったレストランにも行けるし、欲しかったものも買える。

「やっとオーストラリアに来た甲斐がある~! って感じでした。日本食レストランで働いている時は、私は一体、何をしに来たんだろうって自己嫌悪に陥ることもあったから……」

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