アメリカではネバダ州を除く全土で、売春行為が違法とされている。ゆえに性風俗営業を行う店も違法で、摘発の対象となることから、表向きには別の業態を名乗るなどして隠れて営業している。アイコさんは渡米後、現地の知人から風俗の仕事を紹介されたというが、水商売の経験があったからか、風俗で働くことに対して「そこまで高いハードルを感じなかった」という。もちろん「稼ぎたい」という気持ちが第一ではあったが、アメリカ映画などで描かれる“夜の世界”に対する憧れから、「自分も一歩踏み込んで経験してみたい」という好奇心も、性風俗の世界への背中を押した。

中国人女性がオーナーのマッサージ店

 その後、アイコさんが5年間勤務した店は、表向きには“マッサージ店”を謳う、中国人女性がオーナーの風俗店だった。現地の風俗で働く日本人女性は少なく、オーナーからも歓迎された。

 店にいる女性は、中国人、韓国人、ベトナム人が大半を占めていた。表向きにはマッサージ店を名乗っているため、勤務するにはマッサージの技術を学ぶ学校に通って免許を取る必要があった。そこで最初の2年は自費で通学しながら、主に週末に店で働いた。マッサージは学んで損はないと思ったし、学校に通って授業を受けることで「英語を習得できるかも」という期待もあり、特に疑問を持つこともなく学校に通ったという。

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めきめきと英語力を付けていった