ドラマセクシー田中さん」の件では、原作者の芦原さんが生前、自身のXとブログで、ドラマ全10話のうち9話と10話の脚本を自ら描いたことを明かしている。

「芦原さんに相当な負担が」

 前出の映像監督は、

「最終回直前で台本完成のスケジュールも相当タイトだったと思う。漫画家が本業なわけだし、芦原さんにとっては相当負担がかかっていたのではないでしょうか。台本を書いていると、映像化するイメージと現実が大きく異なるのもしばしばあると聞きます」

 と台本事情を打ち明けた。

 そのうえで、

「台本チェックのプロセスでどこかこじれたから、原作者の芦原さんが脚本を担当することになったとも言えます。どこでこじれたのか、日テレと小学館はそこを調べて明らかにする責任があります」

 と指摘した。

 小学館は2月8日に、調査を進めているといったコメントを発表し、再発防止については、

「『著作者人格権』という著者が持つ絶対的な権利について周知徹底し、著者の意向は必ず尊重され、意見を言うことは当然のことであるという認識を広げることこそが、再発防止において核となる部分だと考えています。他に原因はなかったか。組織として今回の検証を引き続き行って参ります。今後の映像化において、原作者をお守りすることを第一として、ドラマ制作サイドと編集部の交渉の形を具体的に是正できる部分はないか、よりよい形を提案していきます」

 などとしている。

 一方、日本テレビは26日の会見で、ドラマ制作部門から独立して設置した社内特別調査チームの調査が23日から始まったと説明。脚本家や制作会社など外部の関係者にも聞き取りをしていくという。

(AERA dot.編集部・板垣聡旨)