インタビューに答える平田うららさん

「人は、自分が見たい姿でしか人を見ない」

 作中で、ある人物がそんな言葉を口にする。 

 その言葉には、Aさんの告白を「さらっと話した」と解釈した自分への悔いが含まれている。

まだ自分を許せていない

 入信後にできた、たった一人の友人の自死を知り、怒り、泣き、寝込んだ平田さん。まだ、自分を完全には許せていない。 

 それでもAさんを思い、映画というひとつの形にした。 

「Aちゃんの思いをちゃんと伝え続けるよ。そして、Aちゃんが生まれ変わった時、もしまた同じ宗教2世だったとしても、前よりは苦しまなくていい社会。同じような苦しみを味わわなくていい社会を作るために、これからも理解が得られる社会づくりをがんばるよ」 

 映画は「アップリンク吉祥寺」で3月22日から公開される。

(AERA dot.編集部・國府田英之)

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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