世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令が10月13日に東京地裁に請求された。昨年7月の安倍晋三元首相の銃撃事件をきっかけに表面化した組織的な高額献金集めだが、1980年代には社会問題として「朝日ジャーナル」などで報じられていた。それから40年以上が経ち、ようやく解散へと動き出した。今回は、30年以上前の裁判資料から旧統一教会と政治との関係、さらには政治家へのカネの流れについて紹介する。
【写真】ビデオメッセージを贈る安倍元首相、取り押さえられる山上徹也被告などはこちら
安倍元首相銃撃事件で逮捕された山上徹也被告は犯行動機として、
「旧統一教会への高額献金で家族がめちゃくちゃになった」
などと話した。そのことが報じられると、元信者らから次々と被害などについて語られるようになった。
関西地方に住む元信者がこう話す。
「うちは億単位のカネをむしり取られました。ガンになった父親は『韓国で祈れば治癒する』と言われたが、韓国では病院にも行かせてもらえず、建設現場で働かされて命を失った。旧統一教会は数々の問題を引き起こし、普通の市民を不幸に陥れ、カネだけでなく人の命まで奪った。解散請求は当然で遅すぎるほどだ」
自民党議員との深い関係
旧統一教会については、高額献金のほかにも政治家との関係、とりわけ自民党議員との様々なかかわりが明らかになった。
旧統一教会の関連団体の会合にビデオメッセージを贈るなどしていた安倍元首相をはじめ、信者に選挙運動を手伝ってもらっていた議員も多い。
AERAdot.でも昨年9月、山谷えり子・元拉致問題担当相の選挙を手伝ったという信者の手記を報じた。
(山谷えり子元拉致問題担当相は否定でも 旧統一教会の元信者は「選挙カーに乗ってアナウンスした」)
<山谷えり子 選挙応援の記憶>
<渡されたのは「山谷えり子は〇〇します!」といった、10項目くらいのアナウンスマニュアル。「み旨を進める人だ」と感激した。「過度な性教育に反対」「ジェンダーフリーの反対」「家庭の再建」といった内容。1人ずつマイクを持って全文を交代で読んだ。残る3人は窓の外にいる人々に手を振って明るく「山谷えり子をよろしくお願いいたします」と大声を出した>
などと書かれていた。