2728万円もの「使途不明金」が発覚した萩生田氏

萩生田氏は使い道がすべて「不明」

 政治資金収支報告書の不記載が判明したのは自民党安倍派、二階派の議員82人。議員たちは2020年~22年の収支報告書を訂正して提出したが、その使い道は、「飲食代」「会合費」「品代」「交通費」など判然としない。安倍派5人衆の一人、萩生田光一前政調会長に至っては「不明、不明、不明」が並ぶ「不明」だらけの訂正だった。

「本当にふざけた訂正です。あんなものが通るのなら、真面目に確定申告の帳簿書類を保管している国民からすれば『いいかげんにしろ』と思うのは当たり前でしょう。もし、本当に使い道が『不明』だらけなのなら、納税すべきです。私的に流用していれば脱税ですし、政治活動に使っていたとしても、透明化することを前提に政治資金が非課税になっているわけですから、こんな訂正は認められるべきじゃない。国民との関係でバランスがとれないし、フェアじゃありません。民主主義のルールに対する冒とくですよ」(同)

 野党は「裏金」が判明している自民党の現職議員82人のうち、全ての衆院議員51人に対し、衆院政治倫理審査会(政倫審)への出席を求めている。この51人の中には安倍派5人衆も含まれており、萩生田氏は18年から22年までの5年間で、収支報告書に不記載の裏金が2728万円にも上る。

「萩生田氏は3000万円近いわけでしょう。裏金が4800万円だった池田佳隆衆院議員は逮捕されました。それなのに、3000万円までだったら不問に付すというのはありえない。検察が長年培ってきた相場観があるのでしょうが、それは検察のルールや感覚であって、国民感情ではとても受け入れられないものです。これから検察審査会にも期待したい。やはり捜査権限がある検察と国税当局はしっかり国民のために権限を行使してほしい。ただ国民は、当局に直接指示はできません。最後は選挙の際に有権者にボールが返って来るのです。自分たちが選挙で選んだ議員がこれだけの不正を働いていたわけです。次の総選挙では投票権を行使して、そうした議員に退場を迫る権利を有権者は持っています。ですから、人ごとだと思わず、しかるべき審判を下してほしいと思っています」

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