東大大学の安田講堂

東大卒の男性の方が「気楽」な面も

 一方で小島さんは、「東大卒男性と一緒にいるのは気楽な面もある」と、OGの本音をのぞかせる。

「私、前の夫は東大卒じゃなかったんですけど、自分のほうがTOEICの点数が高いこととかがちょっと気まずかったりして。でも東大卒の今の夫の前だと、何も気をつかわずに政治や歴史の話をしたり、難しい本を読んだりできて、楽なことは確かです」

 東大卒女性には、「私がこう言ったら嫌みに聞こえるんじゃないか」「こういう行動をしたら偉ぶってると思われるんじゃないか」と気にする人も、少なからずいるようだ。

 だからこそ小島さんは、婚活に取り組む東大OGたちへのエールも込めて、こう口にする。

「『東大卒ってバレたら相手から嫌がられるかも』と不安な人もいるかもしれませんが、今は男性側の価値観も多様化している。たとえば、『自分は起業に挑戦するから妻には安定的に稼いでほしい』『休みの日も仕事に打ち込むことを理解してほしい』と考えている人だっています。高学歴男性とお嬢様学校出身の女性という夫婦像がマジョリティーだったのは、ずっと昔の話です」

令和を生きる東大卒女性は、そろそろ、お見合い結婚時代の亡霊のような価値観から解放されてもいいはずだ。

(AERA dot.編集部・大谷百合絵)

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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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