引退から5年が経過し、来年メジャーリーグの殿堂入り資格を得るイチロー(マリナーズなど)。殿堂入りの1つの基準となる3000安打を達成しているイチローは資格取得1年目での選出はもちろん、満票での選出も期待されている。仮に選出となれば日本人、そしてアジア人プレイヤーとしては初の快挙となる。
【写真】イチローだけじゃない!MLBの年金額「満額支給」の日本人選手がこちら(ほか3人)
これまで日本だけでなく、アジアのプレイヤーがメジャーで活躍したケースは決して少なくないが、殿堂入りに“近づいた”となると皆無だと言っていいだろう。それほど、メジャーリーグで殿堂入りするということは難易度が高い。
殿堂入りの投票はメジャーリーグで10年以上プレーし、引退から5年が経った選手が対象としての資格を取得し、BBWAA(全米野球記者協会)のメンバーたちの投票によって決まる。75%以上の得票で晴れて殿堂入りとなる。
これまでイチロー以外の日本人プレイヤーでは、野茂英雄(ドジャースなど)、松井秀喜(ヤンキースなど)が殿堂入りの候補者となったが、野茂が1.1%、松井が0.9%と、得票数が全投票数の5%に満たなかったことで翌年のリストから除外となっている。
日本人プレイヤーのパイオニアとして通算123勝をマーク。新人王、奪三振王2回、両リーグでのノーヒットノーランの偉業を達成し、強いインパクトも残した野茂にも全く票が集まっていないということからも、いかに殿堂入りが難しいか分かるだろう。
また、野茂と同時期にドジャースで活躍し、野茂を上回る通算124勝を挙げた“韓国の英雄”パク・チャンホに至ってはメジャーリーグで17年間プレーし、殿堂入りの資格は得たが、候補者としてリストアップされることすらなかった。そういった意味では1年目で資格を失ったとはいえ、野茂と松井は候補者として挙げられたこと自体が名誉なこととも言えるだろう。
また、殿堂入りは、パフォーマンスを向上させる禁止薬物を使用したとされる選手には非常に厳しいことでも知られる。“疑惑”という段階でも同様だ。