春に強いチームという意味では龍谷大平安(春11勝・夏3勝)と東邦(春8勝・夏3勝)も当てはまるだろう。龍谷大平安は2014年に当時2年生だった高橋奎二(現・ヤクルト)など複数の好投手を起用して優勝。伝統的に堅実な守備が持ち味のチームであり、ロースコアの接戦で強さを発揮している。一方の東邦はセンバツで最多となる5度の優勝を達成しており、春の強さは伝統と言える。平成最後のセンバツとなった2019年には石川昂弥(現・中日)の投打にわたる活躍もあり見事優勝を果たした。
一方、夏に強いチームの筆頭となっているのが仙台育英だ。一昨年は東北勢悲願の初優勝を果たし、昨年も決勝で慶応(神奈川)に敗れたものの準優勝に輝いている。2018年に須江航監督が就任してからは、力のある投手を複数揃えて継投で勝ち上がるというのがお家芸となっており、それも夏に強い要因の一つと言えるのではないだろうか。昨年秋は宮城県大会の準々決勝で東陵に敗れて東北大会にも出場することができなかったが、2022年の夏に優勝を成し遂げたチームもセンバツ出場を逃しながらも一気に頂点に勝ち上がっただけに、今年の夏もどんなチームを作ってくるかに注目だ。
夏に強いチームで続くのが聖光学院(春5勝・夏17勝)、作新学院(春4勝・夏17勝)、明徳義塾(春3勝・夏16勝)、花咲徳栄(春1勝・夏11勝)の4校だ。聖光学院は2007年から13年連続、作新学院は2012年から10大会連続(2020年はコロナ禍で中止)で夏の甲子園に出場しており、とにかく夏の地方大会をしっかり勝ち抜いてきているということが大きい。明徳義塾と花咲徳栄も県内に強力なライバルがいながら、夏は取りこぼさずに勝ち進んでおり、総合力で勝負するタイプのチームと言えるだろう。ここまで挙げた夏に強い5校のうち、今年のセンバツに出場しているのが作新学院だけというのも、その傾向をよく物語っていると言えるだろう。