2013年のセンバツを制した浦和学院の選手たち

 センバツ高校野球の開幕(3月18日)まであと1カ月を切り、大会に向けての話題も多くなる時期となった。古くから高校野球では「春は投手力、夏は総合力」と言われるが、現在春に強いチーム、夏に強いチームというのは果たしてどこになるのだろうか。2010年以降の春、夏の甲子園の勝利数からその傾向を探ってみたいと思う。なお2020年夏に行われた甲子園交流試合の結果はカウントせず、相手チームがコロナ禍で出場辞退したケースの不戦勝は1勝として計算した。

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・春夏合計勝利数
大阪桐蔭(大阪):54勝
仙台育英(宮城):33勝
八戸学院光星(青森):26勝
東海大相模(神奈川):23勝
敦賀気比(福井):23勝
履正社(大阪):23勝
聖光学院(福島):22勝
作新学院(栃木):21勝
智弁学園(奈良):21勝
日大三(東京):20勝

・春のセンバツ勝利数
大阪桐蔭(大阪):29勝
浦和学院(埼玉):13勝
東海大相模(神奈川):13勝
敦賀気比(福井):12勝
履正社(大阪):12勝
智弁学園(奈良):11勝
龍谷大平安(京都):11勝
智弁和歌山(和歌山):9勝
八戸学院光星(青森):8勝
健大高崎(群馬):8勝
日大三(東京):8勝
東邦(愛知):8勝
広陵(広島):8勝

・夏の選手権勝利数
仙台育英(宮城):26勝
大阪桐蔭(大阪):25勝
八戸学院光星(青森):18勝
聖光学院(福島):17勝
作新学院(栃木):17勝
明徳義塾(高知):16勝
日大三(東京):12勝
近江(滋賀):12勝
花咲徳栄(埼玉):11勝
敦賀気比(福井):11勝
履正社(大阪):11勝

 春夏合計でトップはやはりダントツで大阪桐蔭となった。2位に20勝以上の差をつけており、名実ともに現代の高校球界の王者と言える存在であることは間違いない。昨年秋の近畿大会でも3連覇を達成しており、今年春のセンバツでも優勝候補の筆頭と言える存在だ。

 続いて春に強いチームとしては2位にランクインした浦和学院がまず挙げられる。この期間に夏は4勝しかしておらず、いかに春に勝っているかがよく分かるだろう。2012年は佐藤拓也(現・JR東日本外野手)、2013年は小島和哉(当時2年、現・ロッテ)、2015年は江口奨理といったまとまりのある好投手を擁する時に上位進出を果たしており、「春は投手力」という格言にも当てはまりそうだ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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春に強い、夏に強い傾向のあるチームは?