最後のキャバクラ用プロフィール写真の撮影に臨む31歳の鈴木さん

 そして今、自分のことを知っているか知っていないかは微妙なくらいの芸人さんに片思いをして、しかも会いに行ける場所も手紙や差し入れを渡せる機会も持っているということは、あなたはこの世界を最も楽しんでいる一人で、この世で最も原動力を持っている状態だと言えます。相手が既婚であるとか忙しいとか有名人だとかいうことは大したことではないと個人的には思っています。相手がどうのよりも、自分が今最強のブーストがかかったスーパー自分になっていることのほうが重要です。

 余談ですが、私はバイトや会社勤めをしていたときには、ひと現場に一人は好きな人を作るようにしていました。なかなかできないこともありますが、かったるい仕事も、好きな人に会えるというだけで買い物や夜遊びより楽しみなことに変わったりしませんか。この世は苦界で、ムカつくことにも悲しいことにも事欠かず、生き続けるモチベーションを探すのはそう簡単なことではありません。そういう意味で、今芸人さんにそれだけ夢中になれているのであれば、少なくとも明日もこの世界に存在する意義を持っているわけだからとても幸運なことだと思います。

 さてしかし、片思いが最も楽しいのは、多少の期待と日々の「する事」があるときですよね。私はフィクションの登場人物やすでに他界した俳優にも平気で恋をしますが、さすがに可能性がゼロだと大きな原動力にはなりません。でも少なくともその芸人さんは劇場に行けば会えるわけです。今考え得るアピール方法やお近づきになる方法は、真っすぐなんでもやってみるべきだと思います。ただ、ファン活動をしているだけだと本気の恋心はなかなか実らず、せっかく楽しい片思いがだんだん切なく辛いものになってしまうかもしれません。

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作家を続けてきた下心