関東地方が揺れるたびに不安の声が上がっている。9日の埼玉県南部を震源とするマグニチュード3.8の地震では、最大震度が2であるにもかかわらず、Xでは「埼玉県南部」がトレンド入りした。
きっかけは、1月末の東京湾を震源とするM4.8、最大震度4を観測する地震があった。東京23区で震度4を観測し、ネット上では「首都直下地震の予兆でなければ良いが……」「下からドンッと突き上げるような揺れだった」などという声が相次いだ。
東京湾の地震で、気になるのは揺れの幅だ。東京都内でも震度1~4と大きさに幅があり、「それほど揺れなかった」という声もある。一体なにが影響しているのだろうか。
「地盤が大きく関係していると思います」
そう話すのは、地盤の専門家である横山芳春氏だ。
「地盤の固さによって、同じ地区内でも1~2階級ほど震度が異なることがあります。なので、今回の地震で震度4を観測した地域内でも、『ものすごく揺れた』という人がいれば、『そんなでもなかった』という人もいるのだと思います。数百メートルでも震度は大きく違うこともあります」
横山さんは、地震が発生した現地を訪れ、被害状況や地盤の調査をしている。熊本地震(2016年)や北海道胆振東部地震(2018年)、また、今年元日に発生した能登半島地震でも被災現場に足を運んだ。
そのたび、建物の被害には、地盤の強弱が関係していることを実感するという。
「通りを1本はさんだだけなのに、一方では多くの家屋が倒壊していて、もう一方では無傷であるといった光景は、災害現場で本当によく見かけます。全壊した家の2軒隣はほとんど被害を受けていないといったこともあります。もちろん耐震構造なども関係しているでしょうが、軟弱な地盤では大きな被害が出ています」