「土地の値段が高い=安全な土地」ではない
住んでいる地域の地盤を把握しているかどうかは、地震が発生した際に生死に直結する可能性があるのだという。そして、その地盤の情報は、「自分で調べるしかない」と横山さんは話す。
「たとえば住宅建築の際、地盤調査が行われますが、あれは住宅の重さに対して、その地盤が耐えられるかどうか、という調査にすぎません。調査範囲も地表から数メートルです。私が言っているのは、地表から30メートルほどの地盤の揺れやすさのことです」
横山さんは「『値段が高い=安全な土地』ではないことにも注意が必要」と話す。地震でのリスクと地価は、現時点では連動していないことも多いという。
「住む地域を選ぶ際、『地価』『ブランド』『利便性』などを重視する人も多いかと思います。しかし、それ以上に地盤について、しっかり調べておくべきだと思います。地盤の状況は、地震などの発災時には生死に直結します。どこで巨大地震が起きるかはわからないし、建物が倒壊するかどうかもそのときの運次第などと思わずに、災害リスクを回避するためにも調べてみてほしいです」
具体的にはどうすればいいのか。横山さんは、政府や自治体が無料で提供しているツールの活用を勧めている。
その一つが、文部科学省所管の防災科学技術研究所が公開している「J-SHIS(ジェイシス) Map 」(https://www.j-shis.bosai.go.jp/map/)だ。サイトを開き、上部の水色のタブ「表層地盤」をクリックすると、「地盤増幅率」によって地図が色分けされる。数値が小さいほど青色で、数値が大きいほど赤茶・紫色で示されている。青は揺れにくく、赤茶・紫は揺れやすいということだ。「『地盤増幅率』が1.8以上だと揺れやすく、2.3以上では特に揺れやすい、とされています」と横山さん。