萩生田氏以外で、グループ化の動きがあると名前の上がった世耕氏は、裏金が1542万円だったことが判明したが、西村氏や萩生田氏とは違い、派閥解散後も地元・和歌山県には姿を見せていないという。
地元の地方議員は、
「一昨年の和歌山県知事選では、世耕さんが出馬させようとした官僚が土壇場でとりやめ。昨年は衆院補選で世耕さんが推し、選挙対策本部長を務めた自民党の元職が惨敗。そして今回は自分自身の裏金。それなのに地元にはおわびの電話すらない。世耕さんの支持者が2人寄れば、『(世耕氏は)男を下げたな』と口にします」
と打ち明ける。
安倍派の参院議員は、
「派閥の解散が決まってからも世耕氏はよく飲み会をやっています。参加するのは安倍派を中心とする参院議員です」
と話す。そうした場でどんな話をしているのか聞くと、
「世耕氏から『グループでやっていくから一緒にきてな。もう数に入れたから』と言われたという議員もいました。誘いに応じていない私にも『待っている』と連絡がありました。参院幹事長にも復帰する、といった話も自らしているようです。裏金事件から1カ月ほどしか経っていないなかで、若手議員は地元で厳しい批判を受けて頭を下げ、耐えているのに何を言ってるんでしょうね」
と憤りを見せた。
「派閥再結成を言う3人にただあきれる」
前出の安倍派の衆院議員によると、
「安倍派がなくなるのは、西村氏ら5人衆と呼ばれる幹部に大きな責任がある。しかし、西村氏だけでなく萩生田氏、世耕氏も『派閥を再結成』と言っている。ただあきれるばかりです」
西村氏、萩生田氏、世耕氏が争うように“派閥づくり”に奔走しているようだが、裏金事件はまだ終わったというわけではない。特捜部は3人とも不起訴としたが、検察審査会に申し立てられる可能性はある。3人は直接、刑事責任を問われる可能性は低いとしても、いずれも個人の政治団体の政治資金収支報告書は訂正されており、外形的には政治資金規正法に違反した「虚偽記載」となる。