会見する清和政策研究会(安倍派)の西村康稔・前経済産業相=2024年1月19日、東京・永田町

 西村氏は裏金が100万円あったことを認め、「秘書任せだった」と切り出しながらも、

安倍派のパーティーの収入と書くところを、苦肉の策で自分のパーティーの収入として書いていた」

 と語った。政治資金収支報告書への虚偽記載を“自白”した格好だ。 

 自身の責任についても、

「党の役職停止か、半年程度でしょう。まさか1年はない。その間だけは謹慎」

 と「復活」を前提に、反省とはかけ離れた発言をしていた。

萩生田氏の子分のような議員から…… 

 岸田文雄首相は1月18日に「岸田派解散」を表明した。その翌日、安倍派も総会を開き、派閥解散を余儀なくされた。

 安倍派の衆院議員はぶぜんとしながらこう語った。

「萩生田氏は早くも、安倍派の議員の囲い込みを始めています。私にも『政策、テーマで集まって何も悪いことはない』『若手が路頭に迷うようなことがあってはならない』と誘いがありました」

 この議員は、その場では明確な答えをしなかったという。するとその後、

「萩生田氏の子分のような議員から、『西村氏や世耕氏が前のめりで、子分を確保しようと躍起になっている。負けてられないので、仲間に入ってくれ』『選挙はしっかり応援するから』とさらなる誘いがありました」

 という。それについても無視していると、「LINEで何度も同じメッセージがきました」。

 月刊「文芸春秋」3月号に、萩生田氏、加藤勝信元官房長官、武田良太元総務相の鼎談(ていだん)が掲載されている。萩生田氏はそこでも、「みんなが政策ごとにグループを作って集まるのはこれからも続く」と語っており、グループ化は既定路線とみられるが、前出の“子分のような議員”の言動からは、政策よりも前に、数ありきの姿勢がうかがえる。

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世耕氏は飲み会で“勧誘”