西村氏は裏金が100万円あったことを認め、「秘書任せだった」と切り出しながらも、
「安倍派のパーティーの収入と書くところを、苦肉の策で自分のパーティーの収入として書いていた」
と語った。政治資金収支報告書への虚偽記載を“自白”した格好だ。
自身の責任についても、
「党の役職停止か、半年程度でしょう。まさか1年はない。その間だけは謹慎」
と「復活」を前提に、反省とはかけ離れた発言をしていた。
萩生田氏の子分のような議員から……
岸田文雄首相は1月18日に「岸田派解散」を表明した。その翌日、安倍派も総会を開き、派閥解散を余儀なくされた。
安倍派の衆院議員はぶぜんとしながらこう語った。
「萩生田氏は早くも、安倍派の議員の囲い込みを始めています。私にも『政策、テーマで集まって何も悪いことはない』『若手が路頭に迷うようなことがあってはならない』と誘いがありました」
この議員は、その場では明確な答えをしなかったという。するとその後、
「萩生田氏の子分のような議員から、『西村氏や世耕氏が前のめりで、子分を確保しようと躍起になっている。負けてられないので、仲間に入ってくれ』『選挙はしっかり応援するから』とさらなる誘いがありました」
という。それについても無視していると、「LINEで何度も同じメッセージがきました」。
月刊「文芸春秋」3月号に、萩生田氏、加藤勝信元官房長官、武田良太元総務相の鼎談(ていだん)が掲載されている。萩生田氏はそこでも、「みんなが政策ごとにグループを作って集まるのはこれからも続く」と語っており、グループ化は既定路線とみられるが、前出の“子分のような議員”の言動からは、政策よりも前に、数ありきの姿勢がうかがえる。