投手はどうだろうか。セ・リーグの編成担当が「先発で十分にできる」と評価するのが、阪神の秋山拓巳だ。ウエスタン・リーグで8勝をマークして2年連続最多勝に輝いたが、1軍登板は2試合のみ。2ケタ勝利を3度マークした右腕だが、強力先発陣に割って入るのは容易ではない。村上頌樹、大竹耕太郎、伊藤将司、才木浩人、青柳晃洋、西勇輝に加え、高卒2年目の門別啓人も成長著しい。さらに、西純矢、救援から先発に転向する及川雅貴、ドラフト1位右腕の下村海翔も競争の輪に入ってくる。
「阪神の先発陣は12球団でトップクラス。秋山は登板機会を大きく減らしていますが、コンディションさえ整えれば、先発の5、6番手で欲しい球団はあるでしょう。球が速いわけではないので見栄えが良い投手ではないが、制球力が良いので大崩れしない。フォームで試行錯誤をしているように見えましたが、1軍で結果を残さなければ2軍に落とされるという焦りもあると思います」(前出のセ・リーグ編成担当)
投げっぷりの良さ
巨人の左腕・高橋優貴もファーム暮らしが長くなっている。プロ3年目の21年にチーム最多の11勝をマークしたが、22年は1勝、昨年は6試合登板で未勝利と輝きが消えてしまった。イースタン・リーグでは6勝2敗、防御率2.34と安定した投球を見せているが、1軍のマウンドに上がると、制球難で崩れて別人のようになってしまう。スポーツ紙の遊軍記者は「伸び悩みの原因は精神面の部分が大きいのでは。打者と対戦しているのに、ベンチの反応を気にしているように見える。元々コントロールが決して良いわけではなく、投げっぷりの良さが魅力です。27歳と選手として脂が乗る時期ですし、環境を変えたら本来の姿を取り戻すかもしれない」と分析する。