メーガンさん(左)とヘンリー王子(写真は2023年9月撮影/アフロ)

 英王室のウィリアム皇太子(41)は、2月7日午前中にウィンザー城で、叙勲式に臨んだ。キャサリン皇太子妃(42)が腹部の手術のために入院して以降、公務から遠ざかっていたので、表に顔を見せたのは約3週間ぶりとなる。

【写真】「ほぼ末席」に通されたヘンリー王子とメーガン妃

 皇太子は、およそ50人に大英帝国勲章を授ける重要な役割を担っていた。式は順調に進行していたが、ここで前代未聞のミスが起きた。先天性の心臓病を患う子どものための慈善団体「リトル・ハーツ・マタ―」の責任者、スザンヌ・ハッチンソン氏に勲章をつける際、皇太子は指を滑らせメダルを落としてしまったのだ。すぐにかがんでメダルを拾い上げ、心配そうに見ていたハッチンソン氏の胸に付けた。

 何ごともなかったかのように式は続くも、大きな驚きが広がった。皇太子は何度も叙勲式を経験しているのに、メダルを取り落とすのは初めてだったからだ。「心労がたまっているのではないか」とささやかれている。

 さらに息をのんだのは、皇太子のやせ方だった。式服がかなり緩んで見えたのである。

 キャサリン妃介護と3人の子どもたちの世話、そこにチャールズ国王(75)の入院とその後のがんの公表。責任は増すばかりだ。皇太子の「心ここにあらず」の様子に胸を痛める国民も多かった。

父と息子のわずかな面会時間

 そんな折、ヘンリー王子(39)がアメリカから戻ってきた。チャールズ国王は、がんであることを妹弟と同時に2人の息子に知らせていたのだ。王室が国王のがんの罹患を発表した翌日にはもう、王子は英国航空でロンドンのヒースロー空港に到着した。

 イギリスは色めき立った。父を見舞いにこのように早く飛んでくる王子に好感を持った人もいた。さらに決定的なのは「メーガンが一緒に来ない」ことだった。これで、国王と王子の和解が実現に向かうかもしれない、と。

 しかし、国王のロンドンの私邸クラレンス・ハウスでの父と息子の久しぶりの面会時間はわずか45分程度だった。

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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